本「世界がキューバ医療を手本にするわけ」 吉田太郎
フィデル(カストロ)があまりにもカッコよすぎる。
医療研究所を建てて
「ここはキューバのためだけの施設ではない。
全人類のための施設なのだ」
大災害時の国際的医療援助もものすごいそうです。
05年の大地震時に助けて貰ったパキスタンの作家曰く、
「いま、愛について新たな言葉を学びました。
それは、キューバです」
やってることは、最近よく話題に上る、
ホームドクター制であるとか、
代替医療の積極的活用であるとか、
医師の教育も2年次から現場で、とか、
そういういわば「なったらいいな」なことなのですが、
それを実現してしまう国民の馬力。
しかもそれを、経済封鎖とソ連崩壊で
青息吐息のどん底でも着々と進めていった、
というのがこれまた凄い。
むしろ、そういう酷い状況だからこそ、
「これで打開するんだ!」
という知恵とエネルギーが湧いてくるのかもしれませんね。
独裁者そして彼のおかげで苦況に立つこともあるにもかかわらず、
カストロ(元)議長が人々の支持を得続けてるのは、
本気で世界中を幸せにしたいと思っているからですなぁ。
私達は日本人ですからのんべんだらりんと
健康保険について「高いなぁ」とか感想を述べますが、
近年ほころびと無理が目立つとはいえ
あの国民皆保険システムは
世界に誇れる政策だそうです。
アメリカで事故に遭った友人が病院で
診察の前にまずもって保険の有無や形式を問われ
使用許諾のサインを求められた話を聞き、
そんなもん日本でやったら全員が
モンスターペイシェントと化して大暴れですよ。
ですが考えてみればそれが普通。
古今東西の悲劇のモチーフのひとつに
「貧しくて医者にかかれない」
がありますが、今の日本ではかなりレアケースで、
それだけでも素晴らしい。
ことなのですが、それにもましてキューバは無論、オールタダ。
この本読みましてもやはり、
外国人でも医師と教師だけには市民権を与えた
ローマ帝国ではないですが、
医療と教育ばかりには経済効率度外視で
最善を求めてもいい気がしますね。
ただその、バラ色の話ばかりではありませんで、
そのお金どこから出てくるかと言えば
ベネズエラが豊富な石油を元に
いわばパトロン役をやってるから、だそうで、
ほなその石油どこへ行ってんねん、といえば
もちろんアメリカをはじめ資本主義先進各国。
難しいもんですな。
武器、それがハードなものであれソフトなものであれ、
が無ければ革命はできませんが、
その武器はどこからくるのかといえば、
無から生まれるものでもない。
旧体制あるいは別システムから供給されるわけです。
まそれでも、
全体で見れば、
キューバの人達は(この本を読む限り)
健康に関してはかなり幸せそうで、
理論的にも実践的にもパーフェクトでなければ革命ではない、
というものでもありますまい。
やれるところから、少しずつ。Rがついてなくてもいいのです。
オルタネイティブ、
「別のやり方がある」
と頭の片隅に置いておくこと、
できればトライしてどんなものかちょっと舐めてみること、
これは非常に大切ですな。
そのやり方を採用しないにせよ、とても参考になる。
あと、「やればできる」。
「やる」までにぐでぐでしちゃうのが人間なんですけども、
ただ、やればできる偉大な事例のひとつとして、
勇気は湧きます。
著者の他の書物も挙げておきます。
読みたいんですけど、いかんせんちと高い……
こういうのこそ新書700円で売りまくるべきではないのか。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)